日本触媒,紙より薄い光源の製造開始

著者: sugi

日本触媒は,「紙より薄いフィルム光源(iOLEDフィルム光源)」のパイロットラインでの製造を開始した(ニュースリリース)。

この光源は,有機ELの長年の課題であった大気中の酸素や水分による素子の劣化を,同社とNHKとの共同開発による材料および素子技術(iOLED技術)により克服し,厚さ0.1mm以下と紙より薄く,高い柔軟性を実現したとするもの。

同社には,これまで,自動車業界,服飾業界,包装業界,美容・医療業界など多岐にわたる業界からの要望を受け,少量のサンプル提供を行なってきたが,パイロットラインを立ち上げたことで,より大規模で本格的な試験が可能になったとしている。

製造する基板最大サイズは200mmx200mmで,さらに一部製造ラインを自動化することで,生産能力が10倍以上に増強されたという。このパイロットラインを活用することにより,様々な開発ステージのユーザーに対して,要望する使用形態に合った色,形,特性を持ったサンプルを提供していくとしている。

キーワード:

関連記事

  • 科学大,超低電圧で光る深青色有機ELの開発に成功 

    東京科学大学の研究グループは,乾電池(1.5V)1本をつなぐだけで光るという,世界最小電圧で発光する深青色有機ELの開発に成功した(ニュースリリース)。 有機ELは大画面テレビやスマートフォンのディスプレーとして既に商用 […]

    2025.10.09
  • 産総研,1光子単位で出力制御な波長可変光源を開発

    産業技術総合研究所(産総研)は,光通信で使われる1530nmから1565nmの波長帯であるC-bandと呼ばれる波長帯の波長に対応し,1光子単位で正確に出力を制御できる波長可変の光源を開発した(ニュースリリース)。 光子 […]

    2025.08.18
  • 九州大,近赤外レーザーで光る有機分子を開発

    九州大学の研究グループは,近赤外レーザーによって光る新しい有機分子を開発し,それを有機EL(OLED)としても高効率に発光させることに成功した(ニュースリリース)。 OLEDはスマートフォンやテレビなどに使われる発光デバ […]

    2025.08.01
  • 京大ら,最大の波長域を持つ量子もつれ光源を実現

    京都大学,香港城市大学,中国QXP Technology Inc.は,光子がさまざまな波長の対となった量子もつれ状態を,集積化可能な半導体チップとして,光通信で主に用いられる6つのバンドのうち,5つのバンドにまたがる世界 […]

    2025.07.29
  • 科学大ら,乾電池1本で光る白色有機ELを開発

    東京科学大学と大阪大学は,乾電池(1.5V)1本をつなぐだけで光る,世界最小電圧で発光する白色有機ELの開発に成功した(ニュースリリース)。 これまで白色有機ELの発光開始電圧は,最小でも2.5V程度だった。これは白色光 […]

    2025.07.28
  • 【OPK】アイ・アール・システム,高放射熱型光源を展示

    光技術展示会「光・レーザー関西2025」展示会場で,アイ・アール・システム【ブースNo.OP-06】は,高放射熱型光源を展示している。 ドイツの比較的新しいメーカーINFRA SOLIDの製品で,中赤外や遠赤外などの長い […]

    2025.07.17
  • 富山大,超低電圧駆動有機ELの材料選択で革新

    富山大学の研究グループは,極低電圧で駆動可能なエキサイプレックスアップコンバージョン型有機EL(ExUC-OLED)において,ドナー・アクセプター(D/A)界面にスペーサー層を挿入するという新たなアプローチにより,エネル […]

    2025.06.12
  • 京セラ,小型化を実現した空冷式UV LED光源を発売

    京セラは,インクや樹脂の硬化,接着などに活用されているUV LED光源において,優れた硬化性能を有しつつ,世界最小クラスとなる小型化を実現した空冷式UV LED光源「G7Aシリーズ」を開発したと発表した(ニュースリリース […]

    2025.06.02
  • オプトキャリア