千葉大,金属を含まない金色調の水性塗料を開発

千葉大学の研究グループは,チオフェン重合体誘導体を用いることによって,金属を使わず,使う人や地球環境にも優しい水溶性の金色調・ブロンズ調の塗料を開発することに成功した(ニュースリリース)。

市販されている金属光沢調塗料・インキは,金属の微粉末を含むため,塗料中で金属が沈殿する,金属腐食が生じる,塗工膜が重い,インクジェットプリンターのノズルに詰まるなどの問題点を抱えていた。

そこで,研究グループは近年,チオフェン重合体から成る初の「金属を含まない金色調光沢塗料」を開発していた。しかし,これまでに開発されていた塗料・インキの溶剤は人や環境に優しいものではなかった。

今回開発した塗料・インキは水を溶剤とするものであり,そうした問題が解決されたという。今後,塗装・印刷業界だけではなく,有機電子材料の分野にも展開できるものと期待されるとしている。

その他関連ニュース

  • 東大,有機半導体向け電子不足π電子骨格群を開発 2023年01月05日
  • 公大ら,大気下でホールと電子を流す半導体材料開発 2022年12月15日
  • NAIST,n型ポリマートランジスタの動作に成功 2022年12月09日
  • 産総研ら,コーヒー成分で半導体デバイスの性能向上 2022年12月06日
  • 千葉大ら,N型有機半導体の性能向上に新たな知見 2022年07月20日
  • 東大ら,高性能有機半導体の開発に新たな指針 2022年06月17日
  • 公大ら,100倍超光耐久性ペンタセン誘導体を開発 2022年06月09日
  • 2035年有機エレクトロニクス市場,7兆4,525億円 2022年04月26日