古河電気工業は,最大250kHzのパルス波形制御が可能な超高速変調対応ファイバレーザー「FEC1000S-7-SP」を開発した(ニュースリリース)。
レーザーを用いた加工は高精度・高速・非接触であるといった特長から,既存工法では困難な加工を実現することができ,リチウムイオン電池(LiB)の製造工程への導入も検討されている。
一方で,LiB電極である銅箔・アルミ箔の切断に適用する場合,その反射率の高さから高パワー密度のレーザーが必要となり,従来の連続発振レーザーでは過剰入熱による切断面の溶融物や表面の熱影響部が発生しやすく,加工品質の確保が困難だった。
また,レーザー加工による入熱を減少させる方法として連続発振レーザーをパルス波形制御する技術があるが,従来のレーザーのパルス波形制御は50kHz以下の繰り返し周波数が限界であり,高速で加工する際にパルスが重ならず,連続して加工ができないという課題があった。
同社では、かねてから「ビームモード制御」や「Blue-IRハイブリッドレーザー」などの固有技術を用いて,LiBの製造工程に適用可能なレーザー加工ソリューションの開発を進めており,その一環として金属箔の切断工程に有効な超高速変調対応ファイバレーザーを開発した。
この製品は,応答性が良くパルス立ち上がり時間が数μsecと短いため,最大250kHzの繰り返し周波数で変調が可能。この特長から,金属箔の切断において高速・低熱影響を両立した加工を実現するという。
同社では,「ビームモード制御」,「Blue-IRハイブリッドレーザー」、「超高速変調対応ファイバレーザー」の3つのレーザー加工ソリューションにより,LiBの製造工程における適用を拡大していくとしている。