OKIは,社会インフラを支える機械設備の老朽化とこれをメンテナンスする労働力不足の恒常化という社会課題の解決に資するソリューションとして,「多点型レーザー振動計」を開発した(ニュースリリース)。
広範囲に設置された多数の機械設備の振動を1台で常時測定することが可能で,コストを抑えつつ施設全体の設備の振動を「見える化」できる。機械設備のメンテナンスを効率化し,過剰な頻度のメンテナンスや機械設備の故障による経済損失の解消に貢献するとしている。
この製品は,本体に光ファイバーを介して多数の小型レーザー照射部を接続する多点レーザー方式(特許出願中)により,施設内に設置された多数の設備の振動が1台で測定可能。
1点当たりの振動測定にかかるコストを大幅に引き下げながら,施設全体の設備の状態を一元的に把握することができ,同時間帯に発生した複数個所の振動の関係性を見ることも容易。レーザー振動計本体と制御用モニター端末をネットワークでつなぐことで,施設外など遠隔からの監視も可能だとする。
レーザーを用いた非接触式であり,対象物の可動部や超高温部・超低温部の振動も直接測定することができる。またレーザー照射部の構成要素はレンズのみであるためセンサーヘッドを小型化でき,電源配線を必要としないので導入も容易。
さらに,レーザーを用いた高精度な測定性能により,接触式では測定できない高周波数から低周波数まで広帯域の振動を捉えることができる。設備本体のガタツキから部品の小さな損傷で生じる異常振動まで,多種多様な設備のさまざまな要因から生じる振動を高感度に測定する。また光信号のデジタル処理を採用して精度および感度を向上させているため,光の反射率が低い表面にも使用可能だという。
こうした特長により,施設全体に設置された設備の故障の予兆を網羅的かつ早期に検知し,「壊れない・止まらない」機械設備の運用に貢献するとしている。