米Cepton Technologiesは,大量生産車向けに価格を1000ドル以下に抑えた車載グレードのLidar「Vista-X90」の詳細を発表した(ニュースリリース)。
車載グレードセンサー「Vista-X」シリーズの最新プロダクトとなるこの製品は,小型筐体で低消費電力の高性能センサーの新基準を確立するとした,先進運転支援システム(ADAS)および自動運転車(AV)向けセンサー。
重量は900gを下回り,反射率10%の条件下の最大検出距離200m,角度分解能0.13°,消費電力12W以下を実現し,最大40Hzのフレームレートに対応する。
同社の特許技術マイクロ・モーション・テクノロジー(MMT)を活用したライセンス可能な設計アーキテクチャーを備えている。摩擦がなく,ミラーレス,非回転の走査方式は,高解像度の長距離3Dイメージングを可能にするとともに,自動車用途における厳格な要件を満たせるよう,センサーの堅牢性と信頼性を最大限に高めているという。
また,次世代ASIC技術を搭載。ISO26262 ASIL-Bに準拠しており,AUTOSARとOver-the-Air(OTA)機能に対応し,高度な工場/外部/動的キャリブレーション機能を備えている。サイズは幅120mm,奥行き110mm,パネル前面高さ45mm未満とコンパクト設計で,組み込みにも適している。
90°x25°の視野と指向性のある非回転式設計の組み合わせにより,フェイシア(グリル・ヘッドランプ)やフロントガラスの後ろ,ルーフ上などへのシームレスなインテグレーションが可能。製造性の高いモジュール式の拡張性に優れたアーキテクチャーを採用し,容易に入手可能で安価な部品を使用することにより大量生産に適しているという。
同社はこの技術を,自動車用ヘッドランプ分野で世界最大手のティア1サプライヤーである小糸製作所にライセンス供与している。小糸製作所は自動車用途でのセプトンのLidar技術について,セプトンが供給する主要なモジュールを用いて製造・販売を行なう非独占的権利を有している。
この製品は2022年以降の量産開始を目指しており,サンプルも供給する。同社ではこの製品と同社の車載グレードLidarの性能の詳細について,2020年9月22~24日に開催されるカンファレンス「Automotive Lidar 2020」において紹介するとしている。