日本電気硝子は,5G通信に用いられる部品やデバイスに適した誘電正接の低いLTCC用材料を開発し,製品ラインナップを拡充した(ニュースリリース)。
5G通信では,ミリ波領域といわれる28~40GHzの高い周波数が利用されており,信号を処理する部品やデバイスにはさまざまなLTCC基板が使われる。それらにおいては,周波数,誘電正接に比例して信号が減衰し通信品質が低下するため,特にミリ波のような高周波数の場合,より効率的な通信を実現するには低誘電正接の材料を用いて信号減衰を抑制することが必要になるという。
同社は,低誘電正接を特長とする3タイプ(低誘電率「MLS-23」,高膨張「MLS-51」,高強度「MLS-63」)のLTCC用材料を開発。誘電正接はいずれも従来材料の1/4~1/2に抑えられ,信号減衰の低減に寄与するという。これらの製品は,5Gの急速な進展により市場ニーズが高まっていた材料であり,さらに,より高い周波数を利用するミリ波レーダー部品や60GHz帯WiFiにも有効だとしている。