東芝は,同社の画像認識プロセッサー「Visconti4(TMPV7608XBG)」が,中国の自動車部品メーカーである浙江亜太機電股份有限公司(Zhejiang Asia-Pacific Mechanical & Electronic Co. Ltd.;以下APG)のADASソリューションに採用されたと発表した(ニュースリリース)。「Visconti」ファミリーが海外メーカー向けに量産されるのは,今回が初。
現在,中国の自動車市場において,自動車安全テストへの自動緊急ブレーキ評価の追加などを背景に,ADAS搭載車の比率が高まりつつある。それに伴い,中国における車載カメラの市場も,2030年には2019年比で約4倍に増加するなど,今後急激な拡大が予想されている。
「Visconti4」は,カメラからの入力映像を画像処理し,自車が走行している車線,車両,歩行者,標識,自転車乗員,対向車のヘッドライトなどを認識する画像認識プロセッサー。ハードウェア上で処理するため,CPUやGPUよりも低消費電力で画像認識を実行することができる。
また,同社が独自に開発した「Enhanced CoHOGアクセラレータ」を搭載しており,夜間における歩行者検知性能を強みとしている。これらの性能が評価され,今回の採用に至ったという。
なお同社は,「Visconti」ファミリーを自動車以外の分野へも拡販している。現在は多機能画像センサーや監視カメラシステムなどに採用されており,農機や建機,鉄道などでも採用に向けて検討が進んでいるとしている。