デンソーウェーブは,自動車用衝突防止センサー技術をベースにした新型踏切障害物検知装置「ZD-LS200RX」を2020年8月1日から発売する(ニュースリリース)。オープン価格。
この装置はデンソーが開発した自動車用センサー技術をもとに,2017年から近畿日本鉄道と共同で踏切障害物検知装置向けの開発を始め,研究と実証を進めてきたもの。
実証実験の結果をもとに,装置内のCPUを二重化して相互監視を強化し,万が一CPUの一方に不調が発生した場合でも,もう一方のCPUでエラーを認識できるフェールセーフ性を向上させた。これにより鉄道総合技術研究所の安全性評価を受審しており,踏切における安心・安全対策に貢献することができるという。
また従来より,レーザーセンサーはレーザー光を照射し,反射光を測定して物体の有無を判断しているため,光の吸収率が高い黒色の物体や,表面が鏡面仕上げのような物体の場合はレーザー光の十分な反射光量が得られず,センサーで検知しづらいという課題があった。
これらの課題に対し新製品は,検知対象エリアの中に高反射素材製のポールを設置して常時検知することで,黒色の車両等の反射光量を得られない物体が検知エリア内に侵入した時は,このポールが検知できなくなることで,エリア内の侵入物が存在すると判断する仕組みを構築した。
この製品は2020年8月1日から販売を開始し,2021年度中の売上は220台を想定している。同社は今後,鉄道向け信号メーカーとも協力し,鉄道事業者各社へ提案し,活用・導入の場を広げていくとしている。