シャープ,可視光光触媒スプレーを発売

シャープは,太陽光はもちろん屋内照明の光にも反応し,消臭・抗菌・抗ウイルス効果を発揮する独自の可視光応答型光触媒を採用した光触媒スプレー「MX-AZ03JK」の販売を,7月17日より開始した(ニュースリリース)。3,480円(税抜)

光触媒は,光が当たると表面に強い酸化力が発生し,接触するニオイ成分や菌,ウイルスなどを酸化分解する物質。タバコやペット,トイレなどの気になる生活臭を低減するほか,付着する雑菌やウイルスの作用を抑制する。

このスプレーは,同社が複合機の開発で培った光半導体技術や粉体加工技術などを応用した,独自の可視光応答型光触媒を採用。従来より広い波長範囲の光に反応するので,屋内照明のわずかな光でも優れた分解能力を発揮する。

壁紙や床,家具のほか,衣類などにもスプレーして使用できるという。作用し続けても光触媒自体は消費されず,噴霧した場所に留まるので,効果が長期間持続する。なお,専門機関にて各種試験を実施し,安全基準を満たしていることを確認している。

具体的には,白色LED(一般照明)下で,アセトアルデヒド(タバコやアルコール飲料などのニオイ成分)が約20分後に90%,約3時間後には全量分解されたことを確認した。

また,蛍光灯(一般照明)下で,雑菌の数が約24時間後に検出限界以下(99.99%低減)になったことを確認したほか,蛍光灯(一般照明)下で,ウイルス感染価(ウイルスの細胞への感染能力を表す値)が約4時間後に99.9%低減したことを確認したという。

この製品は,SHARP COCORO LIFEのECサイト「COCORO STORE」などで販売を開始。順次,販売チャネルを拡大予定としている。

WEBセミナー【コロナと戦う光技術】
2020年8月26日(木)
公衆衛生×光技術-銅の抗菌作用,構造材料の微生物腐食機構,青色レーザーによる銅加工
2020年9月3日(木)
紫外線技術と細菌・ウイルス不活化の有効性を考察する

その他関連ニュース

  • 分子研,水素発生光触媒活性が最大になる条件を解明 2024年07月19日
  • 名大,硫黄とホウ素を活性中心とする光触媒を開発 2024年07月10日
  • 東北大ら,ペロブスカイト型酸化物中の窒素精密分析 2024年07月03日
  • 公大,光濃縮技術により正確なウイルス計測を可能に 2024年06月28日
  • 立命大,PFASを可視光で温和に分解する技術を開発 2024年06月24日
  • 理研ら,波長228nmの遠紫外LEDで高効率動作を実現 2024年06月20日
  • 分子研,エステルを多電子還元する新規光触媒を開発 2024年06月17日
  • 【解説】1,000億ドル市場に光技術が食い込む?デニム染色に光触媒が貢献
    【解説】1,000億ドル市場に光技術が食い込む?デニム染色に光触媒が貢献 2024年05月24日