パナ,高度な画像処理機能内蔵のカメラ発売

パナソニックは,高度な画像処理や検査を手軽に行なえる画像センサー「SVシリーズ」6機種を開発し,2020年6月に国内販売を開始した(ニュースリリース)。

製造過程において多数の画像処理装置が導入されている電機・電子部品や医薬業界では,検査の高速化や画像処理検査システム導入時の立ち上げ期間の短縮,検査のためのプログラミング工数の削減に対するニーズが日々,高まっている。

この製品は,コンパクトなボディに高速CMOSセンサー,Dual Core CPU,Gigabit Ethernetを搭載し,独自アルゴリズムを採用することで,業界最高クラスの高速撮像と高速検査(従来比約3倍)を実現した。また,従来方式の画像処理機は検査実行後に画像の圧縮を行なっていたが,この製品ではJPEGファイル画像の圧縮を検査と並行して行なう。それにより,撮り込みから出力までの時間を大幅に短縮し,検査画像の全数保存を可能とすることでトレーサビリティー構築に貢献する。

一体型画像センサーでありながら,外観検査や寸法計測,カウントといった筐体型画像処理機の検査機能を搭載しており,豊富な種類の検査を実現できる。OK/NG判定だけでなく,数値での計測結果出力も可能であり,フローチャート式の検査設定や変数機能によって柔軟にさまざまな検査に対応する。また,目的にあわせてアイコンを選ぶだけで,簡単に検査設定を行なうことができる。

また,これまで,画像処理検査システムの導入立ち上げや検査条件の変更,カメラ位置の調整などの際は,検査装置に据え付けられた画面の前での作業が必要だった。そのため,画像処理技術者が製造現場に呼ばれることも多く,事務所と現場の画面やカメラの間を往復する工数が発生していた。

この製品では,内蔵するWebサーバーを利用した「Web Console」によって,事務所のパソコンなどで検査画面や検査状況を遠隔モニタリングすることが可能となり,製造現場での調整工数削減に貢献する。また,FTPクライアント機能を利用した検査画像の外部サーバーへの全数保存やEtherNet/IP対応など,ネットワーク機能を強化している。

ラインナップは,120万画素1/2型センサーの「SV-N120M」(モノクロ),「SV-N120C」(カラー),300万画素1/1.8型センサーの「SV-N300M」(モノクロ),「SV-NC300CC」(カラー),500万画素2/3型センサーの「SV-N500M」(モノクロ),「SV-N500C」(カラー),の6種類となっている。

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