金沢大学の研究グループは,自動運転自動車で活用される交通信号を遠距離から正確に検知するための新しいアルゴリズムを開発した(ニュースリリース)。
自動運転は,近い将来,私たちの生活に欠かせないものとなる技術の1つ。すでに公道での実証実験が実施されるなど,その実現に向けて日々開発や試験が行なわれているが,社会全体に普及するために欠かせないさまざまな課題の1つとして,交通信号の検知がある。
特に,都市部の環境においては,さまざまな乗り物やビルなどに設置されている発光物体などがあり,それらの中から交通信号を素早く正確に捉え,瞬時かつ適切に車の加速・減速につなげるアルゴリズムの開発が必要とされている。
研究では,そのような都会の環境であっても,150m離れたところから正確に交通信号を検知するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムを使用することで,自動運転自動車の搭載カメラで捉えた解像度が10ピクセル以下の大きさの信号灯および矢印灯を検出することが可能となり,その結果,車体周辺状況や目的地への道順情報などを考慮しながら,スムーズな自動運転走行ができるようになるという。
この研究成果は,デジタル地図を活用することにより信号灯に加えて矢印灯の状態を高精度かつ低処理負荷で認識可能であることを示すもの。今後は,市街地での自動運転自動車の円滑な交差点走行技術の発展につながることが期待されるとしている。