日本板硝子は,光触媒の技術を活用した抗ウイルスガラス「ウイルスクリーン」を使った簡易衝立キットを開発した(ニュースリリース)。
「ウイルスクリーン」は,酸化チタン光触媒膜にスパッタリング製法により銅系化合物を形成させ,複合化した膜をコーティングしたガラス。可視光透過率,反射率は一般のガラスとほとんど変わらないとする。
一般的にものに付着した細菌やウイルスは12時間~24時間生存すると言われているが,このガラスは抗菌,抗ウイルス効果のある銅系化合物と有機物を分
解する酸化チタン光触媒の相乗効果により蛍光灯やLED照明の光でガラス面に付着したウイルスをおよそ60分で99%以上減少させ,ウイルスの活性を抑えるという。
銅系化合物の抗ウイルス効果が弱まっても,光触媒機能によって効果が回復する。光触媒は屋外光(紫外光)により光触媒効果を発揮する「紫外光応答型」が一般的だが,この製品は蛍光灯やLED照明の可視光にも反応する「可視光応答型」であり,室内で利用可能な抗ウイルスガラスとして利用できるとしている。
発売するキットは,レジカウンター等周辺のウイルス対策を想定したもの。顧客に接する側に抗ウイルス膜,店員側には飛散防止フィルムを貼り付け,顧客や店員の飛沫感染を防止しする。また,ガラスに付着したウイルスの活性を低減させることから,ガラス面の消毒の必要がなく,清掃時の感染リスクを低減することが可能だという。
キットは現場で簡易的に組立できる構造で,店舗の環境に合わせてサイズの異なる2種類を用意した(幅90cm×高さ110cm,幅100cm×高さ175cm)。同社では,スーパーマーケットやコンビニエンスストア等のレジカウンターで感染を気にすることなく買い物ができる「新たな生活様式」が生まれることを期待しているとしている。