京セラ,奈良県立医科大学の研究グループは,2020年6月中旬より,同社独自のLED照明「CERAPHIC(セラフィック)」を活用し,人に優しいウェルネス照明の開発を目的とした実証実験を開始する(ニュースリリース)。
研究グループは,2018年9月より,人に優しいLED照明の開発を目的とした研究を行なっており,2019年7月からは「CERAPHIC」を用い,人間の体内時計と関連するホルモンや人の覚醒度に与えるLED照明の影響等についての予備実験を行なってきた。
近年,日常生活でのパソコンやスマートフォンのブルーライトが睡眠に与える影響など,光と体内時計との関係について多くの研究が行なわれており,特に,人の睡眠・覚醒リズムを調節する作用のあるホルモンである「メラトニン」は,体内時計や睡眠に大きな影響を与えると言われている。
その一方,関連製品の開発においては,根拠となる医学的見地での客観性の確保が製品開発時の課題となっていた。
実証実験は,同社の研究開発本部メディカル開発センターが奈良県立医科大学 疫学・予防医学講座の協力を得て,自然光再現のみならず,スペクトルを積極的に制御することで,特定のスペクトルが人の睡眠や覚醒リズムを調整する作用のあるホルモン「メラトニン」に及ぼす効果を,医学的見地に基づき検証する。
同社は,この実証実験を経て2021年度中に「人に優しいウェルネス照明」としての製品化を目指していくとしている。