三重大,窒素・炭素・酸素で高活性光触媒を合成

三重大学の研究グループは,炭素・窒素・酸素から構成される高活性な高分子光触媒の合成に成功した(ニュースリリース)。

この研究により得られた光触媒は,炭素・窒素・酸素から構成されており,自然界に極めて豊富に存在する元素であることから,資源制約の心配がない。そして光触媒活性は,従来の高分子光触媒の約11倍に向上し,またこの高分子光触媒は,700nm以上の可視光でも機能する。

この窒化炭素を,有害化学物質の分解・除去に利用するだけでなく,光電極システムの電極材料として利用したり,あるいは適切な光触媒と組み合わせて利用したりすることで,水分解による水素製造や二酸化炭素の還元による燃料・資源の合成などへの応用も可能であると考えられるという。

その際,有効な光の波長を拡張できたことは,太陽光エネルギー変換効率の観点から,極めて有用な人工光合成システムになると期待できるという。この研究成果により,次世代の材料開発に大きく貢献できるとしている。

その他関連ニュース

  • 東京科学大,固体光触媒によるCO2還元の効率10倍に 2024年12月06日
  • 九大ら,液晶の複雑な秩序構造の形成メカニズム解明 2024年12月03日
  • JAISTら,人工光合成を行なうゲルシステムを提案 2024年11月07日
  • 産総研,高性能を維持できる光触媒のシート化に成功 2024年11月05日
  • 千葉大,目的生成物を自在に選べる光触媒を発見
    千葉大,目的生成物を自在に選べる光触媒を発見 2024年10月07日
  • 東北大ら,水分解光触媒の水素生成面に助触媒を担持
    東北大ら,水分解光触媒の水素生成面に助触媒を担持 2024年10月07日
  • 農工大,分子性酸化チタンで従来を凌駕する水素生成 2024年09月05日
  • 名大ら,青色光で高い反応性を示す分子性光触媒開発
    名大ら,青色光で高い反応性を示す分子性光触媒開発 2024年09月03日