三重大学の研究グループは,炭素・窒素・酸素から構成される高活性な高分子光触媒の合成に成功した(ニュースリリース)。
この研究により得られた光触媒は,炭素・窒素・酸素から構成されており,自然界に極めて豊富に存在する元素であることから,資源制約の心配がない。そして光触媒活性は,従来の高分子光触媒の約11倍に向上し,またこの高分子光触媒は,700nm以上の可視光でも機能する。
この窒化炭素を,有害化学物質の分解・除去に利用するだけでなく,光電極システムの電極材料として利用したり,あるいは適切な光触媒と組み合わせて利用したりすることで,水分解による水素製造や二酸化炭素の還元による燃料・資源の合成などへの応用も可能であると考えられるという。
その際,有効な光の波長を拡張できたことは,太陽光エネルギー変換効率の観点から,極めて有用な人工光合成システムになると期待できるという。この研究成果により,次世代の材料開発に大きく貢献できるとしている。