NECとカナダD-Waveは,量子コンピューティング領域での協業に合意した(ニュースリリース)。
この合意を受け,NECはD-Waveに1千万米ドルの投資を行なうとともに,両社で既存のコンピューターと量子コンピューターの組み合わせ利用を可能とするハイブリッド技術開発,量子コンピューターを用いたアプリケーション開発,量子コンピューターを利用するためのシステムソフトウェア開発,量子コンピューター活用を促進する共同マーケティングおよび販売活動について協働する。
両社で進める協業内容は以下の通り。
・ハイブリッド技術とサービス開発
D-Waveの量子アニーリングマシンとNECのスーパーコンピューターをはじめとするコンピューティング技術を組み合わせることで,より大規模な組み合わせ最適化問題を高速に解けるハイブリッドサービスを開発する。開発されたサービスはD-WaveのLeap量子クラウドサービスに組み入れて両社の顧客に提供する。
・ハイブリッド量子アプリケーション開発
両社は,Leap量子クラウドサービスと新たに共同開発するハイブリッドサービスを活用し,輸送から材料科学,AI等の分野で実用的な量子アプリケーションを開発する。また,NECが想定する金融・製造・流通等6つの市場に対して,D-Waveが持つ200以上の顧客事例(ユースケース)を適用し,顧客に最適なソリューションを提供する。さらに,LEAP量子クラウドサービスにNECのスーパーコンピュータを組み込み利用可能とすることを検討する。
・マーケティング活動
両社は,企業がハイブリッド量子アプリケーションの構築を開始できるよう講演,セミナ―,プロモーション,事例紹介,トレーニング,量子アニーリングプログラミングイベント等の共同マーケティング活動を行なう。また,共同で市場開拓プログラムを実施し,量子コンピューティングの日本企業への導入促進を図る。