島津製作所は,仏モンペリエ大学付属病院とアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)の検出法に関する共同研究契約を締結した(ニュースリリース)。
従来の陽電子放出断層撮影(PET)イメージングおよび脳脊髄液(CSF)検査とは異なり,血中のアミロイドβを検出する島津製作所の方式は人体への負担が小さく,大規模な調査研究に適している。
この血液由来のバイオマーカーは,2014年に同社と国立長寿医療研究センター(NCGG)らが発見した。2002年にノーベル化学賞を受賞した同社エグゼクティブ・リサーチフェローの田中耕一が共同研究に加わっており,同賞の受賞理由となった「MALDI」(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)技術が,アルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法の実現につながっている。
スクリーニング分析は研究目的であり,アルツハイマー病の診断に利用できないが,臨床試験に適した候補者を特定することで,製薬会社の治療薬開発の支援につながるとしている。