NTT-AT,inQsの太陽光発電ガラスを独占販売

NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は,無色透明型光発電素子「SQPV」(Solar Quartz Photovoltaic)技術を使用して製造した高機能ガラス製品の販売において,太陽電池ベンチャーのinQsとの間で日本国内独占販売契約を締結した(ニュースリリース)。

「SQPV」は,inQsが開発した高機能ガラス製品で,設計した二酸化ケイ素の微粒子(Solar Quartz)を電極材料に使い,紫外光から赤外光を吸収し発電する太陽電池を実現する。この技術を用いたガラスは一般的なガラス建材並に可視光を透過しつつも,紫外光と赤外光を吸収する特長を活かした遮熱・発電ガラス材料として,ESG(環境・社会・ガバナンス)に貢献するとしている。

この製品の遮熱効率は,複層ガラスの約2倍(半分しか赤外線を透過しない)であり,まずは高性能な遮熱ガラス(省エネガラス)として2020年10月より販売を開始する。

「SQPV」は,紫外光と赤外光を吸収し発電する技術であり,可視光を透過するため一般のガラスが使える全ての用途に遮熱と発電という機能をつけて利用できる。

一般のガラス並に可視光を透過しつつも,赤外光を吸収(遮熱)する特長を活かし,デザイン性の高い省エネルギー遮熱・発電ガラス材料としての用途開拓が可能。とくに遮熱効果はビル等の空調管理費の節約に大いに貢献できるという。

例えば,ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)に向けて,現在の遮熱ガラス(Low-Eガラス)が主に光の反射による効果であるのに対し,「光の吸収による,周囲の環境に配慮したZEBコンセプト」の遮熱カーテンウォールとして,ZEB Ready向け大型ビルへの普及に努める。

両社は3年前より協業を進めており,inQs製の室内光や低照度環境下の光を高効率に電気エネルギーに変換できる極低照度型光発電素子「SQ-DSSC」をIoTの自立電源として用いた常設のアドオン振動センサーの製品を開発し,化学プラントなどの防爆エリア(水素防爆レベルも含む)で,ポンプなど動機器の故障予知に活用されている。

高機能ガラスの特長は以下の通り。
・高効率な可視光透過率(高い透明性)
・遮熱+発電効果で省エネと創エネを同時に実現
・設計した二酸化ケイ素の微粒子(Solar Quartz)を電極材料に使用しており,レアアースなどの希少かつ高価な材料は不使用
・熱エネルギーを吸収し発電へ使用

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