オリンパスは,撮影から解析までをサポートするイメージングソフトウェア「cellSens」をアップデートし,ディープラーニングを活用した画像解析技術「TruAI」を搭載した(ニュースリリース)。
主な特長は以下の通り。
(1)非染色観察による解析を実現し,実験効率を改善
「TruAI」は教師データを学ばせることで,非染色の観察画像からターゲットを検出して画像で表示できる。非染色の観察画像からでも,蛍光観察画像と同じレベルで細胞核のカウントや面積測定が可能になるため,蛍光観察を行なう手間削減することで,実験の効率改善につながる。
(2)蛍光観察時のサンプルへのダメージを低減
例えばたんぱく質を計測・解析する場合,1つ1つが非常に小さく,俯瞰した画像から数を計測するのが難しいことがある。その際は,蛍光観察を行ない,蛍光の明るさをもとに,たんぱく質の数を算出する。
このような蛍光観察が必要な場合においても,教師データとして,十分な励起光下での検出結果と微弱励起光下での観察画像をセットで「TruAI」に学ばせることで,S/N比が低く,不明瞭な観察画像からでも正確にターゲット検出することが可能となる。
生細胞の蛍光観察が必要な場合でも,励起光によるダメージを最小限に抑えてデータを取得することで実験結果への影響を軽減し,精度の高い結果を取得することが可能となる。
(3)形態的特徴からターゲットを自動判別し,作業時間を短縮
例えば腎臓の糸球体など,組織標本から特定の部位を検出したい場合には,ターゲットを形態的な特徴から認識する必要がある。画像の明るさや色味による検出が難しいため,計測・解析するために人が判別作業する必要があった。
「TruAI」は,人が判別した結果を教師データとして学習させることで細胞を自動認識し,計測・解析することが可能となる。これにより,作業時間の短縮を実現するとしている。