京セラは3月25日,日本電気(NEC)との間で,NEC子会社の光学部品メーカーである昭和オプトロニクスについて,NECが保有する同社の93.53%分の株式全てを譲り受ける株式譲渡契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。
昭和オプトロニクスは株式譲渡の完了後,本年6月1日より,京セラの子会社「京セラ昭和オプトロニクス」として,京セラグループにて事業を開始する。
京セラは,1983年に開始した光学部品事業において,多品種材料を用いた小径から大径まで幅広いレンズの高い製造技術を有しており,車載用途やOA機器用途のレンズから,FA機器や医療機器向けの光学ユニットに至るまで,多岐にわたる分野に向けて製品を展開している。
近年では,事業拡大に向けた取り組みを強化しており,2016年には,FA機器向けの大口径レンズや高精度レンズを手掛けるメレスグリオを子会社化し,さらに,今後の需要増に対応するための増産投資も積極的に進めている。
一方の昭和オプトロニクスは,1954年の設立以来,超高精度レンズ研磨技術,高耐力・低損失の成膜技術,優れた安定性が特長のレーザー技術をコアとして,宇宙関連や,露光機等の半導体製造装置,DNA解析装置等の医療機器といった高付加価値市場に向けた事業を積極的に展開している。
今回の子会社化により,京セラは,レーザー関連などの新市場に参入し事業領域を広げることとなる。今後,両社の技術融合によるシナジー効果と京セラがワールドワイドに保有する販売網および生産拠点の有効活用を通じた一層の事業拡大を図るとしている。