東芝デバイス&ストレージは,産業用インバーターや太陽光発電用パワーコンディショナーなど向けに,コレクター電圧モニターによる過電流検出機能など各種機能を内蔵した中大電流IGBT/MOSFETプリドライブ用フォトカプラ「TLP5231」を製品化し,3月10日から量産出荷を開始した(ニュースリリース)。
この製品は,後段のpチャネルおよび nチャネルのコンプリメンタリーMOSFETバッファー(増幅)を介して,中大電流IGBTおよびMOSFETのゲートをコントロールするプリドライバー。同社従来製品では電流増幅のためにバイポーラートランジスターで構成したバッファー回路を使う必要があり,動作中は常にベース電流を消費していた。
外付けのコンプリメンタリーMOSFETバッファーを使うことができるため,電流を消費するのはバッファーMOSFETゲートの充放電時のみとなり,低消費電力化が図れる。また,外付けのコンプリメンタリーMOSFETバッファーサイズを変えるだけで,さまざまなIGBT/MOSFETで必要なゲート電流を作ることが可能となる。
この製品とMOSFETバッファー,IGBT/MOSFETの構成をプラットフォームにすることで,システムのパワーサイズに応じたラインアップをカバーできるため設計負荷の軽減に貢献する。
また,過電流検出後のIGBT/MOSFETゲート電圧のソフトターンオフ時間は,MOSFETバッファーとは別の外付けMOSFETを介して制御可能となる。さらに,コレクター電圧モニターによる過電流検出時に加え,UVLO検出時にも一次側にフォルト信号を出力する。新製品は,これら同社従来製品にない新たな特長により,従来製品と比べゲート駆動回路の設計を容易にできるとしている。
応用機器
・IGBT/パワーMOSFETゲートドライブ (プリドライバー)
・AC/ブラシレスDCモーター制御
・汎用インバーター/無停電電源 (UPS)
・太陽光発電用パワーコンディショナー