医科歯科大ら,AI内視鏡画像診断システムを開発

東京医科歯科大学,ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズの研究グループは,潰瘍性大腸炎内視鏡画像に基づくコンピューター画像支援システム(DNUC)を試験的に開発した(ニュースリリース)。

潰瘍性大腸炎の評価を行なうには病気に対する知識や経験が必要であり,医師の主観に基づくため相違が生じることが問題だった。さらに「組織学的な寛解」評価のためには内視鏡検査で粘膜生検を採取する必要があり,採取に伴うコストや合併症が避けられない。

この研究では深層学習というAI技術を用いることで,潰瘍性大腸炎の内視鏡画像に基づくDNUCを開発し,その精度を前向きに検証することを目的とした。

東京医科歯科大学にて潰瘍性大腸炎患者に施行された下部消化管内視鏡の画像と粘膜生検を見直し,AI学習に適切と思われるデータを収集しすべてのデータに対してUCEISスコアとGeboesスコアを専門医により点数付けした。

このデータセットを学習データとして用い,ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズの協力を得てDNUCを開発した。入力された画像をもとにDNUCはUCEISスコアと「内視鏡的な寛解」と「組織学的な寛解」を出力する。

開発したDNUCの精度は2018年4月~2019年4月まで前向きに検証した。下部消化管内視鏡を行なう潰瘍性大腸炎患者に対し,この研究について説明し文章同意を得た上で,内視鏡検査と粘膜生検を行なった。

得られたデータを検証用データとして解析したところ,DNUCの「内視鏡的な寛解」に対する精度は90.1%,「組織学的な寛解」に対する精度は 92.9%だった。

組織評価のためには粘膜生検の採取が必要だったが,DNUCを用いると内視鏡施行中にどの画像からでも組織評価をすることが可能であり,生検に関連するコストとリスクを無くすことができるという。

さらにDNUCを改良することで,必要な粘膜生検の回数を減らすことができると考えており,研究グループは今後も,このシステムを内視鏡動画へ適応させる研究を進めていくとしている。

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