六本木商店街振興組合,日本電気(NEC)は,AI等を搭載した「スマート街路灯」を2020年3月から2020年6月にかけて六本木に20本設置する(ニュースリリース)。
今回設置する「スマート街路灯」は,照明デザイナーの石井幹子氏と娘の石井リーサ明理氏がデザインしている。筐体には,LED照明,カメラ,スピーカー,サイネージを搭載しており,まちに関する様々なデータの収集や情報発信により,まちと来街者を双方向につなぐことが可能となる。
石井幹子氏は,これまで六本木交差点を通る高速道路の桁下のデザイン照明や六本木通りの街路灯デザイン,さらには東京タワーのライトアップなどを手掛けており,「スマート街路灯」先進地区である欧州の事情をよく知る石井リーサ明理氏とともに,周辺環境と調和のとれた街路空間を演出する。
また,NECグループのAIを活用した画像解析技術により,搭載したカメラの映像から,来街者の移動方向,属性(性別・年代)および人数を24時間リアルタイムに推定し,データに基づいた集客施策の改善,商店街のさらなる賑わいの創出に活用される。さらに,サイネージやスピーカーを活用し,地域のイベントや観光情報,防災情報を発信することで,より便利で快適なまちづくりを支援する。
カメラの映像は,六本木商店街振興組合にて来街者の推定データ取得用途,六本木防犯カメラ運営協議会にて防犯用途で用いられるが,相互にアクセスできないよう,厳格にネットワークを分離して制御する。
来街者の推定データ取得に使用する際には,カメラの映像を推定データの生成後に即時破棄する。来街者個人が特定可能な情報は保存せず,統計情報である推定データのみを保存することで,プライバシーに配慮した仕組みを実現している。
カメラ映像の運用については,関係法令および「カメラ画像利活用ガイドブック」を遵守の上,関係各機関および有識者からの助言のもと,六本木商店街振興組合としてのガイドラインを独自に作成した。約2年間,このガイドラインに沿った試行運用が無事に実施できたことで,今回の設置に至ったという。