PSSI,次世代3D-LiDARセンサーの試作機など公開

パイオニアの子会社であるパイオニアスマートセンシングイノベーションズ(PSSI)は,500mの遠距離計測が可能な「次世代3D-LiDARセンサー」の試作機を「CES2020」に出品した(ニュースリリース)。

同社は,キヤノンと自動運転レベル3(条件付き自動運転)以上の自動運転の実現に不可欠とされる「3D-LiDAR センサー」を共同開発しており,パイオニアのMEMSミラーを用いたスキャン技術とキヤノンの光学技術を用いた量産モデル(波長905nm)を出品している。

量産モデルとともに出品した「次世代3D-LiDARセンサー」は,両社のコア技術をベースに韓国SK Telecomの送・受信技術を加えることで計測距離を大幅に伸長させた波長1550nmのモデルで,500mの遠距離かつ高解像度な計測が可能となるとしている。

2020年秋から量産を開始するモデル(準広角短距離用,中距離用,長距離用,広角タイプ)に,次世代の遠距離モデルを加えることで,セキュリティ,交通監視用途や,路側センサーなどのモニタリング用途,自動運転車両における遠距離計測など,さまざまな市場,顧客のニーズに対応することが可能になる。

また,各LiDAR センサーを使用して物体検知や自車位置推定などを高精度に行なえるソフトウェアも開発,提供する。PSSIは,パートナー企業と技術を持ち寄り,「次世代3D-LiDARセンサー」のさらなる高性能化,小型化およびソフトウェアの開発を進め,2021年以降の実用・商用化を目指すとしている。

PSSIはまた,乗用車などへ後付けでき,車両の周辺環境を高精度・高解像度に検知可能な「3D 空間データ収集 LiDAR kit」を開発し,その試作モデルも出品した(ニュースリリース)。

この製品は,「3D-LiDAR センサー」とカメラ,GNSS(全球測位衛星システム)を一体にしたハードウェアと,物体認識や位置推定,差分抽出を行なうソフトウェアアルゴリズムをセットにしたトータルソリューション。

乗用車や業務車両などの屋根の上に簡単に後付けでき,複雑な調整を行なうことなく周辺物体の位置や距離,形などを正確に検知し,3D 空間データとして収集することができるという。

周辺環境や路面標示,道路の凹凸などの情報まで含む3D空間データは,地図更新のほか,マーケティング用データの作成などへ活用が可能。同社は3D空間データの収集・活用を効率的かつコストを抑えて行ないたい企業向けに,2020年秋より販売を開始する予定としている。

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