凸版印刷は,スイッチひとつで透明と不透明を瞬時に変更できる調光フィルム「LC MAGIC(エルシー マジック)」の新たなラインアップとして,通電で透明になる従来品と逆の機能を持った,通電によって不透明になる「LC MAGIC リバースモード」の量産技術を確立した(ニュースリリース)。
従来の「LC MAGIC」は,通電で透明になり電気が通っていない時に不透明だったが,この「LC MAGIC リバースモード」は,電気が通っていない時に透明で,通電で不透明になる。
これにより,停電や事故による電気遮断時でも透明なため,安全性が重視される自動車や電車などにも用途拡大が可能になり,またフィルム厚約0.26mmと薄いため,ガラスへの後貼り施工が簡単に可能になるという。
なお「LC MAGIC リバースモード」は先行して,オフィスのパーティションや会議室の窓への導入実績があり,自動車や電車などの輸送機器への適用に向けた検証実験を現在進めている。
液晶フィルムを使いスイッチ一つで透明と不透明を瞬時に切り替え,通過する光をコントロールできる「LC MAGIC」は,高い透明性とプライバシー確保の両立ができるため,意匠性の高い空間とセキュリティ空間を同時に実現することを目的に,オフィスや商業施設などで多く採用されているという。
しかし,従来の「LC MAGIC」は,通電で透明になり電気が通っていない状態では不透明だったため,自動車の窓や使用頻度が低い会議室など,透明で使用する時間が長い場所へ使用すると,余分な電気を使用していた。また,リバースモードは従来タイプに比べて,信頼性を確保する上での技術的なハードルが高く,量産化が難しいという課題があった。
「LC MAGIC リバースタイプ」の主な使用例は以下の通り。
・従来品では採用が難しかった,自動車や電車などの窓。
・会議や面談時はプライバシーを保ちつつ,普段は空間を広く感じさせたい会議室。
・その他,透明状態で使用する時間の長い窓やガラスのパーテーションなど。
同社は今後も,「LC MAGIC」シリーズを様々な業界に向けて拡販するとともに,建築資材分野やマーケティングプロモーション分野での販売チャネルを活用して,2021年までに関連受注を含め約20億円の売上を目指すとしている。