ネオアークは,光とレーザーの科学技術フェア(11月12日~14日 科学技術館)において,デュアルコム分光による複素屈折率測定装置を参考出展し,デモを行なっている。
同社はJST戦略的創造研究推進事業において,ERATO美濃島知的光シンセサイザプロジェクトの電気通信大学の美濃島薫教授と共にデュアルコム分光法を用いた磁気光学効果測定装置を開発しているが,今回,この装置を応用した複素屈折率測定装置を開発した。
デュアルコム分光法とは,精密に制御された超短パルスレーザーである光周波数コム(光コム)を2つ使う新しい分光法で,従来のフーリエ分光法注に比べ,分解能,感度,測定時間などの点で非常に優れているという特長がある。
この装置は干渉波形と光学遅延と試料の厚さから,資料の複素屈折率スペクトルを求める。試料を置くだけで光学遅延を求められることから,光学部品や結晶などの物性評価を簡単に行なうことができる。
従来,デュアルコム分光は,空調が厳密に管理された実験室で,除振台の上に置いた定板に多数の光学素子を並べた実験系によって行なわれるものであったが,ERATOプロジェクトを通じた開発により,この装置は展示会場の机の上に直接置かれた状態で動作している。これだけでも「関係者が見たら驚く」(担当者)技術だという。
同社では本展示会において,磁気光学効果測定装置と共にこの装置のデモを行なっており,来場者の意見をもとに市場のニーズを探り,製品化に向けた開発を続けるとしている