金沢大学と首都大学東京の研究グループは,身体的負担を最小に抑え,画面の視認性を高めるタッチスクリーンの最適設置位置と角度を求める方法を検証し,最適解を得ることに成功した(ニュースリリース)。
近年,タッチパネルは銀行ATMやスマートフォンなどをはじめ,広く使われている。ATMのように固定されているタッチパネルは,設置が高い場合は身長の低い人には使いづらく,低い場合はかがんで使う必要があるという身体的負担の違いがあるだけでなく,見やすさなど利便性に関する問題が生じる。
今回の研究では,実験参加者によるタッチパネルの見やすさと,身体的負担としてさまざまな関節の角度測定により得られる力学的負荷の2つの指標を要素とし,最適解を求める方法を検証した。その結果,タッチパネル設置の最適解として,高さが1124~1251mm,角度が44.4-67.9°と算出したという。
今回の研究は,互いに関連し合う複数の目的についての最適解を求めるケーススタディとして実施された。研究グループは今後,タッチパネルに関する種々の条件を広く設定し,実際の使用環境での見やすさと身体的負担の少なさを追求する研究を進めていくとしている。