三菱電機は,国内で初めて電子ビームを熱源とする粉末床溶融結合方式を用いた金属3Dプリンター「EZ300」を2019年9月2日に発売する(ニュースリリース)。価格は9,800万円(税抜き)。
近年,製品の開発期間や納期の短縮に対応するため,鍛造・鋳造・プレス成形といった従来の金属加工方法に替わる新しい加工法として,航空機・医療分野を中心に金属3Dプリンターの需要が拡大している。
今回同社は,同社の子会社の多田電機からの製品供給を受け,多くの業界最高性能を実現した金属3Dプリンター「EZ300」を発売する。多田電機は,2014年から次世代3D造形システムの構築を目指す技術研究組合である次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)に加入し,今回TRAFAMが参画する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発プロジェクトにて粉末床溶融結合方式を用いた金属3Dプリンターを開発した。
業界最高出力6kWの電子銃用電源の搭載により,業界最高の加工速度毎時250ccを実現。また,電子ビームの発生源に独自構造の棒状陰極を採用することで,棒状陰極の加熱制御を最適化し,加熱寿命が従来比で10倍以上となる業界最長の1,000時間を達成した。これにより製造現場の生産性向上に貢献するとしている。