阪大ら,結晶の構造欠陥の除去方法を発見

大阪大学とロシア高圧研究所,ロシア原子核研究所,独ドレスデン工科大学の研究グループは,高濃度の欠陥を持つ結晶に対して欠陥の有効な除去方法を発見した(ニュースリリース)。

半導体は結晶構造における欠陥を巧妙に制御することで,正と負の両方の電子を作ることができる(価電子制御)。欠陥は一般的には,母体結晶の格子位置に不純物原子が入ったもの(格子位置欠陥)が価電子制御する上で求められる。それに対して母体結晶の格子位置とは違う位置(格子間欠陥)に入る不純物は多くの場合,価電子制御のためには役立たない。

ホウ素結晶では母体結晶原子であるホウ素が格子間位置にランダムに配置され,ホウ素の価電子制御を困難にしている。ホウ素結晶を半導体材料として有能にするためには,このランダムな配置のホウ素原子を規則的な配置にする必要がある。しかし,これまで構造が固いため原子の再配置をさせることができなかった。

今回の研究ではまず,ホウ素結晶を高温・高圧条件下で作成し,そのとき大量の水素を不純物として仕込んだ。得られた試料は多くの欠陥を有する。その後,試料を室温に戻し,中程度の温度でアニールすると水素が離脱すると同時に,それまでランダムに配置されていたホウ素原子が突然,規則的な配置に変化した。巨大な単位格子(単位格子に50個以上の原子を持つ)のホウ素結晶でこのような欠陥のない構造を得たのは世界で初めてだという。

この欠陥除去方法は,ホウ素だけでなくフラーレンに代表される炭素系材料など,多くの固い高融点材料に適用可能。研究グループは,今回の欠陥構造の制御法は他の材料開発一般に広く活用されることが期待できるとしている。

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