独Baslerは,GigEインターフェースとVGA解像度対応の3Dカメラ「blaze」をリリースした(ニュースリリース)。デザイン・インサンプルの公開は2019年9月,量産開始は年末を予定している。
パルス式Time-of-Flight(ToF)方式を利用して撮影を行なう産業用3Dカメラ。日光に強い近赤外線(940nm)対応のレーザーダイオード(VCSEL)を備えており,30f/sのフレームレートで範囲マップ,輝度,信頼性マップから構成される3D点群データと2Dモノクロ画像をリアルタイムに生成する。また,撮影処理はカメラ側で行なうため,ホスト側のCPU負荷も少なくて済むなど,高い解像度(VGA),精度,性能を手頃な価格で実現している。
カメラ内蔵のソニー製センサー「DepthSenseTM IMX556PLR-C」は,裏面照射型CMOSイメージセンサーにCAPD(Current Assisted Photonic Demodulator)と呼ばれる画素技術を融合したもので,より高い精度と感度で反射光を捉えられる。そのため,明るさやコントラストに関係なく,最大10m四方の広範囲を640×480の画素数と約1mm単位の精度で撮影することが可能だという。
筐体は,IP67に対応しているだけでなく,レンズと赤外線照明を内蔵し,取り外しが必要な部品を一切含まない軽量かつコンパクトな設計を実現していることから,ロボットアームなどにも取り付け可能。さらに,ギガビットイーサネットと各種プラットフォームで使用可能なプログラミングインターフェースを搭載しているため,複数のカメラを有するシステムへの導入や運用もスムーズに行なうことができる。
産業用オートメーション,物流,医療,スマートファクトリーの多くのシーンでの用途を見込んでいる。小型で耐久性に優れているため,無人搬送車やロボットによる貨物の計測,パレット積み付け,計数などの用途でも高い精度を発揮することが可能だとしている。