矢野経済研究所は,AMOLEDパネル及び主要部材の世界市場を調査し,製品セグメント別の動向,参入企業動向,将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。
これによるとAMOLEDパネルは,サムスン電子(SEC)と中国スマートフォンメーカーに加え,Appleのスマートフォン向け採用により世界出荷枚数が拡大している。また,スマートフォン向け以外に,スマートウォッチやタブレットPC,TV等の用途向けにもAMOLEDパネルの搭載が進展しており,2018年のAMOLEDパネル世界市場(メーカー出荷数量ベース)は前年比113.8%の5億575万5,000枚と2桁成長に転じる見込みという。
注目トピックとして,2019年のAMOLEDパネル世界出荷枚数は,スマートフォンのミドルエンド品向けのRigid OLEDパネルに加え,Flexible OLEDパネルの採用拡大に伴い,2018年に続き2桁成長を予測する。
以前からスマートフォンはカメラ機能の強化に加え,デザイン性を重視した端末の開発が進んでいる。スマートフォンメーカー各社は,ベゼルレスやフルスクリーン等のデザイン性を強化した開発トレンドを継続しているほか,新たにFoldableスマートフォンの開発も進展し,スマートフォン向けに折り曲げ等が可能なFlexible OLEDパネルの需要が拡大していることが好材料となっているとみる。
将来展望として,スマートフォン向けでは,ミドルエンド品向けのRigid OLEDパネルに加え,ベゼルレスやフルスクリーン端末向けにFlexible OLEDパネル,折り曲げが可能なFoldableスマートフォン向けにAMOLEDパネルの採用が始まる見込みで,AMOLEDパネルの需要は拡大する見通し。市場拡大を見据えて,サムスンディスプレー(SDC)に加え,LGディスプレー(LGD)やBOE Technology Group(BOE)等のパネルメーカーが2019年よりFlexible OLEDパネルの本格生産に踏み切っているという。
さらに,OLED-TV向けAMOLEDパネルの需要も拡大し,同パネルの能力増強を進めるLGDに加え,SDCが大型AMOLEDパネルの市場参入を目指しTV向けQD-OLEDの開発を進めている。
搭載拡大と参入メーカーの増加等に牽引され,AMOLEDパネル世界出荷枚数は引き続き成長し,2023年のAMOLEDパネル世界市場(メーカー出荷数量ベース)は8億6,765万枚と拡大を予測している。