岡山大ら,レーザーで天王星磁場の起源を解明

岡山大学と大阪大学の研究グループは,水を主成分とする惑星模擬試料をレーザーで圧縮する手法により,氷惑星の磁場の起源を明らかにした(ニュースリリース)。

天王星と海王星の氷惑星は,地球の数十倍の強さの磁場を発生する源を内部に持っている。このような強い磁場が作られるためには,氷惑星の内部を強い電流が流れ続けることが必要。しかし,氷惑星の主成分である水が,電気をあまり通さない物質であることから,惑星内部に強い電流が流れることには無理があると考えられてきた。

今回の実験では,水を主成分とした3種類の惑星模擬溶液の試料を準備し,各試料をそれぞれ専用の容器に封入した後に,そこに高強度レーザーを照射するというレーザーショック圧縮の手法によって試料を容器ごと圧縮した。その結果,約300万気圧という惑星内部の実際の圧力を達成することができた。

ただし,この手法によってつくり出される巨大な圧力は,10億分の1秒(ナノ秒)程度の,非常に短い時間でしか維持することができない。研究グループは,レーザーショック圧縮のタイミングを合わせて,計測用のレーザーを試料に当て,ドップラーシフトして反射してくる光の強さを高速度カメラで撮影し,水溶液の圧力,密度,温度および反射率などの性質をまとめて計測した。

その結果,3種類の水溶液は,いずれも光を強く反射する状態へと一瞬のうちに変化することがわかった。計測用レーザーの光を強く反射する現象は,調べている物質が金属状態になった場合に起こる。物質中で電気伝導が起こりやすくなるほど,光の反射率も上昇する。試料の水溶液が炭素を含む場合には,純粋な水の場合と比べて光の反射率が顕著に高くなったという。

この結果から,惑星内部にある磁場の源が「金属の水」に流れる電流であり,そこに含まれるメタンが分解して生成した炭素イオンが水の性質に影響を与えていることがわかった。研究グループは,天王星や海王星の強い磁場は,このような金属的な流体中の電流が起源だと考えられるとしている。

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