古河電気工業は、PONインタフェースカードの冗長機能とマルチファンクションPONモニタ機能を有した10G-EPONシステム「FITELwave® AGX5000」を2019年9月より販売する(ニュースリリース)。オープン価格。
IP通信回線の信頼性を向上させるべく従来製品に大幅な改良を加えた。5Uサイズに冗長構成のL2スイッチを内蔵し最大6,144加入者を収容可能とし,従来と比較して高信頼化と収容効率化が図られているという。
ケーブルテレビインフラの光化やサービスの多様化が進んでいる近年,インターネット,電話サービスをIP通信で送るだけでなく,テレビ放送もIP化され大容量通信回線の伝送が進んでいる。また,家庭内のスマートデバイスなどとの接続(IoT)がされたり,5GなどによるFWAとの接続も期待されるなど,IP通信回線の信頼性が益々重要になっている。
この製品は,通信回線の信頼性を上げるために業界では初となるPONカードのN+1冗長切替に対応する新しい機能を搭載。PONインタフェースカードに故障が発生した場合,リモートから搭載済の予備制御部に切り替えることにより,現地作業を行なうことなく通信の復旧が可能となる。
また,従来は各回線の信号状態を光分配器などで分岐した信号でモニタしていたテスト用ポートを不要にするモニタポートモジュールを搭載。従来,PON区間のモニタには光分配器の挿入が必要だったが,OLT内部でPON区間の光信号を複製することにより,光分配器等の他機器を挿入することになく,任意のPONを光のロスなしでのモニタが可能となる。
さらに,上位に接続するネットワークスイッチのインターフェースは高速大容量に対応した「QSFPポート」とコストパフォーマンスに優れた「10GBASE-T」を搭載しており,通信事業者の既存資産との接続性とメンテナンス性も向上したという。