パナソニックは,自律型ロボットシステムソフトウェアの開発・販売・技術コンサルティングを行なうスタートアップ企業の「リンクウィズ」と,熱加工現場におけるプロセス改善に向けたソリューション開発において,共同事業開発契約を締結した(ニュースリリース)。
昨今,製造業の現場では「急激な労働人口の減少」「低迷を続ける労働生産性」「物流量の急増」「超スマート社会」「働き方改革」といった社会背景のもと,さまざまな改善や改革が求められている。
なかでも,自動車業界などの熱加工作業の現場では,技能伝承の困難さによる適正人材の不足,環境問題に配慮したEV化が進む中,より軽量,より高強度な素材の接合,CSR重視による高品質の長期維持,また,トレーサビリティの厳格化などが課題になっている。
同社は,1957年に溶接事業を開始し,60年以上に渡り自動車,建機,造船業界などに溶接機,溶接ロボットを提供するなど,熱加工事業を展開してきた。一方,リンクウィズは,2015年設立,独自のアルゴリズムを活用した産業用ロボット制御のシステムソフトウェアの開発・販売を行なっている。主要プロダクトである溶接や塗装などを行なうロボット制御ツールのソフトウェアと,生産ラインにおける全量検査などを行なう自動検査用ソフトウェアを開発し,大手企業をはじめとして多くの納入実績を誇るという。
今回の提携により,同社が長年培ってきた製造現場での知見に,リンクウィズが持つ自律型ロボットシステムソフトウェアの知見等を組み合わせることで,「切断」「溶接」「検査」といった熱加工現場のプロセスの最適化を実現し,人手不足改善,加工品質の向上等,喫緊の課題に対応し,業界の発展に貢献していくとしている。
なお今回の提携は,パナソニックの社内カンパニーであるコネクティッドソリューションズが推進する。コネクティッドソリューションズは,「現場プロセスイノベーション」をビジョンに掲げB2Bソリューション事業を展開している。