日本触媒は,大気安定な逆構造有機EL素子の開発において,有機EL討論会より第12回業績賞を受賞した(ニュースリリース)。
この賞は有機ELに関連する科学技術の発展への顕著な功績に対して贈られるもの。
同社はフレキシブル有機ELの長年の課題であった大気中の酸素や水分による素子の劣化を克服した。具体的には,水・酸素に安定な材料の開発及び,素子構成の反転により,長時間安定駆動可能なフレキシブル有機ELの実現に成功したことが高く評価され,今回の受賞となった。
水・酸素に強いこの有機ELは,保護・バリア層を簡略化できるため,デバイスを紙よりも薄くすることができる。同社ではその薄さを大きな強みと捉え,開発品名「iOLEDフィルム光源」として発売に向けた検討を進めている。
iOLEDフィルム光源は,0.07mmという業界最高クラスの薄さを実現し,フレキシビリティに優れ,さまざまな曲面に沿う特徴を有しているという。例えば,肌に直接貼る,棒状のものに巻きつける等,これまで適用の難しかった場所・場面での活用が可能としている。