キヤノンは,発明協会が主催する令和元年度全国発明表彰において,「位置合わせ速度と精度を両立させたディスプレイ用露光装置の発明」で,「日本経済団体連合会会長賞」を受賞した(ニュースリリース)。
全国発明表彰は,日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に,公益社団法人発明協会が,多大な功績をあげた発明を表彰するもの。今回の発明は,高精細有機ELディスプレーの生産に用いられ,ハイエンドスマートフォンの急速な普及に大きく貢献しているとする。
この発明は,ディスプレー用露光装置において,原版と基板との位置合わせ速度の向上と,基板上の既存パターンに対する次工程パターンの重ね合わせ精度の向上を両立させたもの。高精細ディスプレーの製造には,基板上のパターンに対して原版のパターンを変形投影し,これらのパターンを正確に重ね合わせる必要があり,特に,パターンの歪みを高速かつ高精度に計測することが求められる。
また,従来のアライメントスコープに加えて,投影光学系を介さずに歪み計測を行なうオフアクシスアライメントスコープを導入し,これらを併用することで,高速かつ高精度な歪み計測を実現したという。
受賞および受賞者は以下の通り。
日本経済団体連合会会長賞 長野 浩平氏 (キヤノン 光学機器事業本部 室長)
日本経済団体連合会会長賞 八木 規行氏 (キヤノン 光学機器事業本部 室長)
日本経済団体連合会会長賞 大手 啓介氏 (キヤノン 光学機器事業本部 主任研究員)
発明実施功績賞 御手洗 冨士夫氏 (キヤノン 代表取締役会長CEO)
なお,発明実施功績賞は「日本経済団体連合会会長賞」などの特別賞を受賞する法人の代表者に贈呈される。