パイオニアとキヤノンは,3D-LiDARセンサーの共同開発契約を締結した(ニュースリリース)。
3D-LiDARセンサーは,レーザー光で対象物までの正確な距離を測定し,遠方や周辺の状況をリアルタイムかつ立体的に把握できるため,全ての自動運転をシステム側が行なうが,緊急時には運転手が運転操作を担う状態である,レベル3以上の自動運転の実現に不可欠なキーデバイスといわれている。
パイオニアは,2020年以降の量産化を目指し,高性能で小型かつ低コストなMEMSミラー方式の3D-LiDARセンサーの開発を進め,昨年の9月より2018年モデルの提供を開始するとともに,3D-LiDARセンサーを活用した高精度な「物体認識アルゴリズム」および「自車位置推定アルゴリズム」の開発を行なっている。また,自動運転事業をさらに加速するため,2019年1月に自動運転に関する研究開発,技術開発,事業開発を統合する新組織を設立している。
キヤノンは,長年培ってきた光学技術基盤を多様な産業領域へ融合・拡大することを進め,特に自動運転に代表される技術革新により急拡大が期待される自動車関連産業への取り組みを強化している。
両社は,今回の契約の締結により,パイオニアが量産化に向けて進めている3D-LiDARセンサーの開発を共同で行なう。パイオニアが保有する小型化技術やデジタル信号処理技術などの車載機器開発に関する知見やノウハウに,キヤノンが保有する光学の先進技術とノウハウが加わることで,高度な自動運転車両向けの小型で高性能な3D-LiDARセンサーの早期実現が可能になるとしている。