三菱電機,ルーマニア空港から風観測用ライダーを受注

三菱電機は,ルーマニア航空局から,首都ブカレストにあるアンリ・コアンダ国際空港向けに晴天時風観測用「空港気象ドップラーライダー(DIABREZZA®(ダイヤブレッツァ)Aシリーズ)」を,現地システムインテグレーターである CENTRUL PENTRU SERVICII DE RADIOCOMUNICATII SRL.を通じて受注した(ニュースリリース)。2019年度末に納入する予定。

航空機の離着陸時に乱気流による事故防止のためには,空港周辺の風速や風向きを測定する必要があるが,従来の電波を用いるレーダー装置(空港気象ドップラーレーダー)では,雨滴や雲のない晴天時は測定ができなかった。

今回受注したライダーは, 単一周波数のパルスレーザーを用いて大気中のちりや微粒子の動きを捉えることで,晴天時でも風速や風向きをリアルタイムに測定できる。また,高出力光アンプの搭載により,20km以上の風計測を実現するとともに,ICAO(国際民間航空機関)推奨要件に基づいた観測距離を十分に満たしているとする。

今回の受注は,昨年7月にフランス気象局から受注したニース・コート・ダジュール国際空港向けに続く欧州で2台目の受注で,国内・海外全体では10台目の受注となる。同社は今後,欧州を含む海外での事業展開を強化し,今回受注したライダーを含む気象レーダー・ライダー事業全体で,2020年度にグローバルで売上高25億円を目指すとしている。

その他関連ニュース

  • 京セラ,カメラ‐LiDARフュージョンセンサを開発 2024年11月11日
  • 京大,パルスレーザーで高分解能量子赤外分光を実証 2024年10月10日
  • ニコン・トリンブル,LiDARセンサーの取り扱い開始 2024年10月03日
  • ローム,LiDAR向けkW出力赤外LDアレイを開発 2024年09月25日
  • NTT,空間情報を遠隔地に伝送・再現する技術を確立 2024年09月24日
  • 森林総研ら,防風林の効果をLiDARセンサーで可視化 2024年09月10日
  • ams OSRAM,LiDAR向けパルスレーザーを発売
    ams OSRAM,LiDAR向けパルスレーザーを発売 2024年09月03日
  • 総研大,可搬型積分球積雪粒径測定装置で広域調査
    総研大,可搬型積分球積雪粒径測定装置で広域調査 2024年09月03日