三菱電機は,ルーマニア航空局から,首都ブカレストにあるアンリ・コアンダ国際空港向けに晴天時風観測用「空港気象ドップラーライダー(DIABREZZA®(ダイヤブレッツァ)Aシリーズ)」を,現地システムインテグレーターである CENTRUL PENTRU SERVICII DE RADIOCOMUNICATII SRL.を通じて受注した(ニュースリリース)。2019年度末に納入する予定。
航空機の離着陸時に乱気流による事故防止のためには,空港周辺の風速や風向きを測定する必要があるが,従来の電波を用いるレーダー装置(空港気象ドップラーレーダー)では,雨滴や雲のない晴天時は測定ができなかった。
今回受注したライダーは, 単一周波数のパルスレーザーを用いて大気中のちりや微粒子の動きを捉えることで,晴天時でも風速や風向きをリアルタイムに測定できる。また,高出力光アンプの搭載により,20km以上の風計測を実現するとともに,ICAO(国際民間航空機関)推奨要件に基づいた観測距離を十分に満たしているとする。
今回の受注は,昨年7月にフランス気象局から受注したニース・コート・ダジュール国際空港向けに続く欧州で2台目の受注で,国内・海外全体では10台目の受注となる。同社は今後,欧州を含む海外での事業展開を強化し,今回受注したライダーを含む気象レーダー・ライダー事業全体で,2020年度にグローバルで売上高25億円を目指すとしている。