東ソーは,短チャネル有機トランジスタ向けプリンテッドエレクトロニクス材料(有機半導体,絶縁膜材,撥液バンク材,保護膜材)を開発した(ニュースリリース)。
有機半導体(TS5)は,溶解性と耐熱性をあわせ持ち,塗布で良好な結晶膜を形成し短チャネル有機トランジスタ(チャネル長5μm)で高移動度(1cm2/Vs以上)を発現するという。
絶縁膜材(DC100),撥液バンク材(BC400),保護膜材(DK500)はいずれも感光性を有し,低温・短時間硬化が可能であり,光パターニングにより微細な開口部を形成できるとしている。同社では,これまでに山形大学との共同研究において,有機ELディスプレーやセンサの試作・駆動実証に成功しているという。
開発した材料の主な特長は以下の通り。
・有機半導体 (TS5):高耐熱性(融点190℃),高溶解性(1.0wt%),5μmの短チャネル有機トランジスタで移動度1.0cm2/Vs以上
・保護膜材 (DK500):非フッ素系ポリマー,半導体層上に塗布・成膜が可能
・撥液バンク材 (BC400):光パターニングにより微細な開口部を形成可能(10μm角以下),有機半導体の塗り分けが可能
・絶縁膜材 (DC100):低温・短時間硬化(室温・1分以下(100mJ/cm2以下)),高絶縁耐性(4MV/cm以上),高平坦性(RMS0.3nm以下)