理研ら,K中間子と二つの陽子からなる原子核を発見

理化学研究所(理研)らは,大強度陽子加速器施設「J-PARC」にて,クォークと反クォークが共存する「中間子束縛原子核」(XK-pp)の生成実験に世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

クォークは原子核を構成する素粒子で,質量の異なる6種類がある。反クォークとはクォークの反粒子。粒子と反粒子は電荷などプラス・マイナスの符号を持つことが許される量子数は,符号が反対で,質量や寿命などの性質は同じである。同種の粒子・反粒子は対消滅を起こす。

原子核内に陽子と中性子をつなぎ止める「糊」の役目をする中間子は,原子核から真空中に取り出すこともでき,固有の質量と寿命を持った「実粒子」として振る舞う。しかし,実粒子として振る舞う中間子が,陽子や中性子とともに原子核を作ることができるかは分かっていなかった。

今回,研究グループはJ-PARCにおいて,K中間子ビームをヘリウム3原子核標的に照射する実験を行ない,K中間子と二つの陽子(p)が結合した中間子束縛原子核「Kpp」を作ることに成功した。

この状態の束縛エネルギーは50MeVであり、これは通常の原子核の束縛エネルギーの約10倍にも達し,かつK-中間子自身の質量エネルギーの10%に達することが分かった。このことから,この結合状態はコンパクトな高密度状態であると予想され,極めて特異的な高密度核物質が自発的に形成されたと考えられるという。

研究グループは,今回の研究により,量子色力学における核子の質量の起源や,中性子星の中心部にできる超高密度核物質の解明などの基本的理解に貢献できるとしている。

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