米コーニングインコーポレイティッドと,英ウェーブオプティクス(WaveOptics)は,1月8日~11日にラスベガスで開催されたCES 2019にて,ウェアラブルARディスプレー向けとなる,コーニングの超平坦・高屈折率ガラスウエハーを用いた導波路の光学性能のデモを行なった(ニュースリリース)。
ウェーブオプティクスのウェアラブルARディスプレーは,AR導波路向けに特別に設計したコーニングの高屈折率ガラスを搭載している。この超平坦ガラスにより,没入型視聴体験に欠かせない,広い視野と鮮明な画像を実現したという。
ウェーブオプティクスは,相手先ブランド設計メーカー(ODM)の中国ゴアテック(Goertek)や,ナノインプリントリソグラフィ装置メーカーのオーストリア イーヴィグループ(EV Group)との協働を発表しており,コーニングとの契約もそうした協働プロジェクトの一つ。
今回,コーニングは,高品質ARデバイス向け部品コスト(BOM)の低減に向けた重要な取り組みとして,グローバルなサプライチェーン構築によって高品質AR利用のハードルを大幅に引き下げるべく,ウェーブオプティクスと協力した。
一方,ウェーブオプティクスは,ARの普及には画質が極めて重要だとし,同社の導波路技術とコーニングの高屈折率ガラスの組み合わせが,没入型ARの成功に向けた重要なカギとなるとしている。同社の導波路に関する特許技術により,ARにおいて大型の視野窓を創り出すことが可能となり,没入度の高いAR体験が提供できるという。
コーニングはこれまでに,大手ARデバイスメーカー向けに最大クラスの超平坦・高屈折ガラスを量産納入した実績がある。コーニングのARソリューションは,同社の製品ポートフォリオのひとつであり,その精密光学・成形技術を活用して,マイクロエレクトロニクス分野におけるガラスソリューションの応用という新たなニーズに応えることが可能だとしている。
コーニングとウェーブオプティクスは昨年12月,導波路向け高屈折率ガラスウェハーの供給に関する長期契約を締結している。