和歌山県工業技術センターは,空気中でも安定して「低いエネルギーの光」を「高いエネルギーの光」に変換する「光アップコンバージョン」フィルムを開発し,特許を取得した(ニュースリリース)。
これまでにも「光アップコンバージョン」という現象は報告されていたが,一般的には,液体中や半固体など空気に触れない状況下で起こる現象だったため,実用化が難しい技術だった。
今回,同センターはポリビニルアルコールフィルム中に「光アップコンバージョン現象を起こす材料」を閉じ込め,独自の技術でフィルムを伸ばすことにより,空気中でも安定して光アップコンバージョン現象を起こすフィルムの開発に成功した。
同センターは,この研究は大面積化が可能なことに加え大気中で容易に作製が可能であり,将来的には太陽電池や省エネフィルムなどへの応用が期待されるとしている。