阪大ら,フレキシブル熱電発電モジュールを開発

大阪大学とデンマーク工科大学の研究グループは,熱電発電のEサーモジェンテックと共同で,大面積・高効率密度・高い機械的信頼性を実現した150℃以下で発電するフレキシブル熱電変換モジュールを開発した(ニュースリリース)。

熱電変換技術は,熱エネルギーを電気エネルギー(または,それぞれを可逆)に直接変換する技術。小さな温度差でも温度差に見合って(スケール効果がない)変換できるため,エクセルギーの小さな熱エネルギーの回収(エネルギー・ハーベスティング)に寄与する次世代の発電技術として注目されている。

現在,150℃以下の廃熱は,熱回収効率が低いため,スケール効果のない熱電変換技術を利用した発電(システム)の開発が進められている。しかしながら,これまで,100℃~150℃付近で使用できる熱電発電モジュールの実装技術が確立されていないため,150℃付近の熱電発電技術は実用化されていなかった。また,室温付近の熱電発電モジュールにおいても,作製にかかるコスト面でのハードルが高く,宇宙空間での活用など限定された分野でのみ応用されてきた。

今回,研究グループは,実装プロセスと実装材料を工夫し,実装プロセスにかかるモジュールデザインを一新することで,低コストで熱電変換モジュールに1軸方向へ著しいフレキシブル性をもたせることに成功した。フレキシブル性を持たせることで,湾曲した熱源から熱の回収効率がよくなるとともに,半導体チップにかかる機械的ストレスが殆どかからず機械的信頼性も向上したという。

また,この熱電変換モジュールは,実装材料が150℃付近まで耐熱保証できることから150℃以下の温度領域で発電することが出来るので,熱電発電モジュールとして利用できる。これにより,低コストかつ未回収率の高い150℃以下の廃熱を効率よく回収しIoT技術を支えるオンサイト熱電電源システムの社会実装が期待されるとしている。

特に,工業的観点からIoT化が進んでいるインフラ(電力送電,ガス,水道など)監視・巡視や移動体(自動車,船舶,飛行機,電車など)の監視・追跡,あるいはサーバが集積するデータセンタの監視,送電コストが高くなる遠隔地における各種監視施設等は,いずれも150℃以下の未回収廃熱があり,かつ分散型電源と給電システムが要求される新市場だという。

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