富士キメラ総研は,センサーや音声認識機能を活用した家電コントロールや,API(アプリケーションプログラムインターフェース)連携を活用したサービス利用が黎明期から普及期に入り,活況を帯びてきているスマートホーム関連市場を調査した(ニュースリリース)。
それによると,スマートスピーカー国内市場の2025年市場予測(2017年比)は,200億円(12.5倍)で,利便性の向上に加え,所有率の上昇が期待され市場拡大するという。
2017年の後半から年末にかけて,GoogleやAmazon.comといった海外メーカーによる製品投入が相次ぎ国内市場が形成された。2018年は日系メーカーの積極的な参入により市場は急拡大しており,46億円(2017年比2.9倍)を見込む。
今後はハンズフリーで家電操作やサービス利用,情報収集が可能といった利便性の向上に加え,所有率がまだ低いことから伸びしろがあるため,市場は拡大していくと予想する。ただし,音声アシスタント機能がスマートスピーカー以外の家電製品にも広く普及すると予想されるため伸長率は徐々に鈍化するとみている。
スマートホーム対応照明国内市場の2025年市場予測(2017年比)は,310億円(8.9倍)で,照明に加え,別の機能を搭載した製品が需要を喚起し市場拡大するとしている。
2016年にソニーがスマート照明「Multifunctional Light」を発売。また同年12月にフィリップスライティングジャパンが「Philips Hue ホワイトグラデーション シングルランプ」および「同スターターキット」を発売し,IoT家電やホームネットワークに関心の高い消費者層の需要を獲得している。
今後はスピーカー機能や空気清浄機能,プロジェクター機能など照明とは別の機能を搭載した製品が買い替え需要を喚起するとして,市場の拡大が期待されるとしている。
スマートホーム関連国内市場の2018年の市場は3兆936億円(2017年比4.8%増)が見込まれ,2025年には4兆240億円(2017年比36.3%増)と拡大が予測される。市場の過半を占めるスマートコアデバイスはスマートフォンの新規需要が一巡した影響をうけ当面は縮小が続くとみる。
スマートルームはネットワークに接続可能な生活家電の増加,音声アシスタント搭載AV機器の増加などから伸びが予想される。個別サービスは製品のネットワーク化やAPI連携の拡充によって伸びが期待される。スマートウェルネスやスマートセキュリティ,スマートキッチン/サニタリーはネットワーク接続による利便性の向上を背景に需要増加が期待されるという。
プラットフォームサービスは初めてスマートホーム環境を構築するユーザー向けの需要を中心に伸びていくとみられる。また,現状の提供サービスは家電コントロールやスマートスピーカーの導入などであるが,今後は駆けつけ警備サービスや事業者同士が協業し宅配サービスなどの多様なサービス展開が進むと予想されるとしている。