オムロンは,カメラと照明,画像処理機能を一体化した高精度な画像検査を簡単に導入できるスマートカメラ「FHV7シリーズ」を2018年11月よりグローバルで順次発売する(ニュースリリース)。
近年,消費者ニーズの多様化が進み,色やサイズの異なる製品に対する多様な品質検査が求められている。このような高度な品質検査に対応しつつ,柔軟な生産を実現するためには,製造品目毎に都度発生する設定変更や調整,段取り替えにともなうダウンタイムが生産上の大きな課題となっている。
この製品は「マルチカラー照明」で,1色の照明では安定しなかった計測を容易に実現。検査対象物のデザイン変更や品種追加があっても照明の色や照度をパラメーター1つで調整でき,照明の交換やシビアな調整も不要。
オートフォーカスレンズで,サイズの異なる品種も,設置距離59~2000mmの範囲内でピントを合わせ,パラメーターで簡単に切り替えて検査可能。カメラを移動させるメカ機構が不要になり,設計工数や部材コストを削減する。
また,クラス最速の画像処理機能と,クラス最高の解像度を誇る1200万画素カメラを搭載することで,生産スピードを落とさず,従来よりも高精度な検査を実現し,製造品質を高める。
加えて,従来比2倍の速度で検査画像を圧縮できる「高速画像圧縮アルゴリズム」で,計測中にも画像データの全数保存を可能にし,品質管理を要求される生産工程でも徹底したトレーサビリティ管理を実現する。
同製品は,同社の高性能画像処理コントローラーFHシリーズの体積比1/4サイズの筐体に,同等の画像処理性能を持ちながら,多機能な照明や高画素カメラを搭載している。これは同社の高速高精度な画像処理技術と,同社が2017年7月に買収したオムロンセンテックが持つ小型・高速・高画質を実現するカメラ設計技術の融合により実現したとしている。