ニコンは,幹細胞を用いた研究や創薬研究で有用な,長作動距離と高い開口数を両立した生物顕微鏡用対物レンズ「CFI S Plan Fluor LWD 20XC」と「CFI S Plan Fluor LWD ADM 20XC」を発売する(ニュースリリース)。
「CFI S Plan Fluor LWD 20XC」は,明視野観察,蛍光観察,微分干渉観察に使用可能,「CFI S Plan Fluor LWD ADM 20XC」は,明視野観察,蛍光観察,位相差観察に使用できる。
幹細胞を用いた研究では安定的に培養できるという理由から,プラスチック製容器を使用した観察が多く行なわれている。また,創薬研究においては,幹細胞を大量に用いた化合物評価や毒性試験が行なわれている。これらの研究ではプラスチック製容器の使用時にも,鮮明な画像を効率的に取得するニーズがある。
同社は,このようなニーズに応え,長作動距離と,高い開口数(NA)を両立した製品を開発。明るく高解像な画像を短時間で取得し,細胞のスクリーニングのスループットを向上させるという。
主な特長として,観察対象物と対物レンズの距離が1.3mmから2.3mmの長作動距離を実現。底面が厚いプラスチック製容器を用いた観察や,高さのある細胞塊の観察にも対応する。また,高い開口数(NA)0.70により,明るさが求められる蛍光観察においても,鮮明な画像を短時間で取得できる。
また,研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2」に対応した,20倍,視野数225㎜の広視野での観察が可能。広範囲を効率的に観察し,多くの実験データを短時間で取得。細胞のスクリーニングや画像のタイリング(隣り合う画像をつなぎあわせ,1枚の広範囲な画像をつくりだす方法)の際に,高スループットを実現するという。
この製品の価格は「CFI S Plan Fluor LWD 20XC」が65万円,「CFI S Plan Fluor LWD ADM 20XC」が70万円。発売は2018年10月31日としている。