ニコン,最大の視野数を実現した共焦点レーザー顕微鏡を発売

ニコンインステックは,面積比で従来の約2倍にあたる世界最大の視野数25mmの広視野を高速・高解像に画像取得が可能な共焦点レーザー顕微鏡システム「A1 HD25」「A1R HD25」を発売する(ニュースリリース)。

共焦点レーザー顕微鏡は,光を検知する受光部にピンホールを設けて,焦点から外れた不要光をカットすることにより,コントラストの良いクリアな画像が得られる顕微鏡システム。厚い試料であっても,複数の高さで撮影した画像を合成して立体画像を作成し,観察することができる。

バイオサイエンス分野では,生体組織やモデル生物(ゼブラフィッシュ,ショウジョウバエなど)のように,大型なサンプルを生きたまま観察し,その反応や変化を研究,解析するニーズが高まっている。この製品は,生体組織やモデル生物の全体像を観察する際でも,広視野を高速・高解像に画像取得し,撮影にかかる時間を短縮することができる。

さらに,研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-E」と組み合わせて使用することで,世界最大の視野数25mmの広視野観察が可能。これは前機種の共焦点レーザー顕微鏡システム「A1+」「A1R+」の視野数18mmと比較し,面積比約2倍となる。視野周辺部の重要な現象も逃さずとらえ,研究の可能性を広げるとしている。

「A1R HD25」に搭載したレゾナントスキャナーは,毎秒720フレーム(512×16画素)の撮像速度と1K(1024×1024)の高解像度な画像の高速取得を実現。低倍観察時でも高解像で高品質な画像取得ができ,微細構造の観察を可能にすると共に細胞内の反応や相互作用など動きの速い変化も鮮明にとらえる。高速スキャニングにより,励起光による生細胞のダメージを低減し,褪色も抑える。

広視野観察の実現により,画像のタイリングに必要な画像取得枚数と撮影時間を大幅に低減する。また,さらに,複数の条件で解析を行なうスクリーニング作業や,大型サンプルの撮影も効率よく行なえるとしている。

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