オムロンは7月5日,同社子会社であるオムロンレーザーフロント(OLFT)の全株式を,半導体モールディング装置製造のTOWAに譲渡する契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。なお,株式譲渡は,8月1日に完了する予定。
OLFTは,レーザー発振器や「レーザトリマ」,「ウェハマーカ」などレーザー加工装置の製造,販売,アフターサービスを手掛ける。特に「レーザトリマ」において高い市場シェアを持ち,電子部品や半導体の製造業各社を主たる顧客として事業運営を行なっている。
オムロンでは事業ポートフォリオマネジメントの強化を進めている中,OLFTの有するレーザー関連技術やレーザー加工装置事業を取り込むことで事業拡大や新規事業の創出など高いシナジー効果が期待できるTOWAに対し,同社が保有する全株式を譲渡することを決定した。
TOWAは,オムロンレーザーフロントを連結子会社とすることにより,オムロンレーザーフロントが有するレーザー関連技術と同社が有する半導体製造の後工程技術を融合させることで,コア技術を応用展開した新たな市場への取り組みを目指すとともに,顧客の信頼に裏打ちされた営業基盤を引き継ぐことで,収益機会の拡大を狙う。
また,レーザー複合装置を新しい事業として位置づけ,ビジネス分野の拡大および新市場の創出,技術者の相互交流,販売・サービス網の相互活用,生産における購入品の調達など多くのシナジー効果を発揮し,企業価値の向上を目指していくとしている。