レーザーピコプロジェクターのマイクロビジョンは,光技術総合展示会OPIE’18において,超小型プロジェクターの新たなアプリケーションとして,自動車のヘッドアップディスプレー(HUD)および投影スクリーンをタッチパネル化する技術のデモを行なっている。
このうちHUDの投影は積水化学と協力したもので,自動車のフロントガラスに映像を投影する技術。
自動車のフロントガラスにプロジェクターを用いて様々な情報を投影するHUDは実用化が進んでいるが,フロントガラスは2重構造になっているため,それぞれのガラスからの反射光が2重像となる問題があった。
積水化学では,ガラスとガラスの間にある中間膜に工夫を凝らし,可視光に近い紫外光を照射することによって,中間膜自体が発光して像を作り出す技術を開発した。今回OPIEのデモでは,マイクロビジョンのプロジェクターとこのガラスを使い,鮮明な青色と緑色の像を描き出している。積水化学では赤色発光する中間膜の開発も進め,RGBを揃えようとしている。
スクリーンのタッチパネル化は,RGBのレーザープロジェクターにIRの走査モジュールとディテクタを組み合わせたもので,プロジェクターの照射範囲をIRでスキャンし,スクリーン上にある物体の形や高さを高速で検出する。
IRの解像度は512×180,256×360,128×720から選択可能。60Hzで駆動するので最大550万点を1秒で計測することができる。マイクロビジョンではこのモジュールを最近流行しているスマートスピーカーと組み合わせ,ネットショッピングなどに利用できないか,Googleなどに提案しているという。