NICTら,テラヘルツ帯の精密な高周波電力測定に成功

情報通信研究機構(NICT)は,産業技術総合研究所(産総研)と共同で,テラヘルツ帯(220GHz~330GHz)の高周波電力計を較正する標準器の開発に成功した(ニュースリリース)。

近年,テラヘルツ帯(100GHz~10THz)の電波の利活用に関して,高速大容量通信,イメージング,材料分析といった種々の技術の実用化を進めていく上で,テラヘルツ帯の基本的な特性である周波数と高周波電力について,精密かつ信頼性の高い標準を整備し,計測技術を向上させる必要性が高まってきた。

周波数については,光周波数コムの技術によって,標準が整備されつつあるが,高周波電力については,世界中で開発が遅れており,国家標準にトレーサブルな標準器の開発が望まれている。

また,NICTでは,電波法に基づき,無線設備等から発射される電波の強さを測定する高周波電力計の較正サービスを実施しているが,2022年11月30日までに新スプリアス規格に完全対応することに合わせて,最高300GHzまで無線機を検査する必要が生じてきた。そのため,高周波電力計をはじめとする無線機を検査するために使用する測定器に対し,300GHzまで較正する技術の確立が急務となっていた。

NICTと産総研は,これまで共同で取り組んできた研究開発の技術を活かして,今回,220GHz~330GHzのテラヘルツ帯の高周波電力を計測できる標準器を開発した。標準器が開発されたことで,これまで明確な基準がなかったテラヘルツ帯の高周波電力の値に対し,「基準」を与えることが可能となった。今後,この標準器を基準にした,テラヘルツ帯の電波利用の促進が期待される。

また,今回開発した標準器は,産総研が長年培ってきた等温制御型ツインドライカロリーメータの技術を採用している。これにより,市販の高周波電力計を7.2%以下の精度で較正することが可能となり,220GHz~330GHzの高周波電力を正確に測定できるようになった(170GHz~220GHzについては,2020年サービス開始予定)。

NICTは,引き続き産総研と共同で,周波数170GHz~220GHz用の高周波電力を計測するための標準器の開発を行なう。また,テラヘルツ帯における高周波電力計測技術,電力計の較正技術に関する研究開発を進め,テラヘルツ帯を用いた電波利用の促進に貢献していく。なお,周波数220GHz~330GHzにおける高周波電力計の較正サービスは,2018年4月から受付を開始する予定。

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